2020.12.12 01:00#01 こどものころ知らない世界を見せてくれた相手に、知らない感情を教えてくれた相手に、人は執着してしまうのかもしれない。***「ほら、レッド、ご挨拶は?」「⋯⋯よろしく」一言発すればもう十分だろうと、新しい土地の同い年相手にすら興味を示さずその瞳は逸らされる。レッドへの第一印象は別に最悪では無かっ...
2020.12.12 00:56#02 あせりおれはポケモン博士であるじいさんの孫ということもあって、ポケモンの知識はきっと世界中の同年代の子どもよりあるだろう、というくらいには持っていた。「グリーンはものしりだね」レッドより圧倒的におれは物知りだった。別にレッドが何も知らないってわけじゃない。ただ何故かポケモンの知識だけは...
2020.12.12 00:52#03 こどものころ レッド視点最近のグリーンは凄く我儘だ。「おれもこれがいい!」「おれも欲しい!」「おれが先にやりたい!」周りは呆れながらグリーンを咎めるけど、今までずっとグリーンは笑って僕を優先してくれていたから、実を言うとこの我儘は嬉しかった。彼と過ごす時間は、自分も普通の子どもになれたようで楽しかった。...
2020.12.12 00:51#04 チャンピオン戦後「お前がチャンピオンだ⋯⋯認めたくねーけど⋯⋯」ちらりとレッドを伺うと、そこにおれの予想していたものはなかった。失望も憐れみも、軽蔑もない。その目はおれを対等に見ていた。それに何故かひどく安堵して、レッドに抱いていた憎しみはすうっと凪いだ。そうだ、おれがちゃんと、レッドの強さを認...
2020.12.12 00:45#05 最終回「僕は昔から友人ができても関係が長続きすることはなかった」「最初は無邪気に話しかけてきた奴もみんなだんだん、その表情が畏怖だったり劣等だったり嫌悪だったり崇拝に変わっていって──次第に離れていったり、離れさせたりした」「でも君は違った。僕が君を超えて見せても、瞳から闘志が消えるこ...
2020.12.12 00:30お蔵入りなものたち主に完結できなかった、しそうにないものたちをアップしていきます。いつか蔵出しする時が来るかもしれないけど多分来ない⋯⋯【共執着】長編になる予定だったもの。とりあえず書きたいシーン書いたけど途中の旅シーンが思い浮かばず、最終回も練りきれなかったやつです。レ(→→→→→→)←←←←←...