#03 こどものころ レッド視点

最近のグリーンは凄く我儘だ。

「おれもこれがいい!」

「おれも欲しい!」

「おれが先にやりたい!」


周りは呆れながらグリーンを咎めるけど、今までずっとグリーンは笑って僕を優先してくれていたから、実を言うとこの我儘は嬉しかった。



彼と過ごす時間は、自分も普通の子どもになれたようで楽しかった。いつも遠巻きに見ていた楽しそうに笑うクラスメイト達はこんな気分だったのか。知らないことを知ることは楽しい。


そしてそれを教えてくれるグリーンは僕にとってかけがいのない唯一の人間だった。前までの僕ならきっと軽蔑してたような、彼の我侭も自慢も愛しく思えるくらいに特別だった。


そんな甘やかすような思考に陥ってる僕でもグリーンに対して許せないことがある。


──この僕を避けることだ。


僕に突っかかる理由があるときだけ絡みに来て、普段はそっけない。少し前まではあんなに笑顔で僕の手を引こうとしてきたのに。突っかかってくるのは構わない。喧嘩を売られたって構わない。でも僕を避けて遠ざけようとすることだけは──


絶対に許さない。



#04 チャンピオン戦後

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